加入対象・給付の種類・失業保険との違い

雇用保険とは
わかりやすく解説

失業時の基本手当だけじゃない。育児休業給付・教育訓練給付・高年齢継続給付まで
退職前に知っておきたい雇用保険の全体像を整理します。

このページの内容

  1. 雇用保険とは
  2. 加入対象者(パート・アルバイトも)
  3. 主な給付の種類
  4. 「失業保険」との違い
  5. 健康保険・社会保険との違い
  6. よくある質問

雇用保険とは

雇用保険は、労働者が失業・休業・教育訓練などの際に給付を受けられる国の制度です。 加入は会社が手続きし、労働者と事業主の双方が保険料を負担します。 退職後の生活を支える最も重要なセーフティネットとして、ほぼすべての正社員・パートが加入対象です。

雇用保険の3つの柱

失業等給付(退職後の基本手当など)
育児休業給付・介護休業給付(休業中の生活保障)
雇用保険二事業(能力開発支援・雇用安定事業)

加入対象者(パート・アルバイトも)

雇用保険の加入対象は正社員だけではありません。以下の条件を満たすパート・アルバイトも加入します。

加入条件 内容
週の所定労働時間 20時間以上
雇用見込み 31日以上の雇用が見込まれる
学生 夜間・通信制は加入。昼間学生は原則対象外

加入対象外のケース

加入状況は給与明細で確認

給与明細の「雇用保険料」欄に控除額があれば加入済み。なければ会社に確認しましょう。 雇用保険被保険者証 の有無でも確認できます。

主な給付の種類

雇用保険の給付は退職後の「基本手当」だけではありません。在職中・退職後・休業中のさまざまな場面で利用できます。

退職時の給付

給付名 内容
基本手当(失業保険) 離職後、求職中の生活を支える給付。90〜330日分
再就職手当 早期再就職時の一時金(基本手当の60〜70%)
就業促進定着手当 再就職先で6か月以上働き、前職より賃金が下がった場合
高年齢求職者給付金 65歳以上の離職時

在職中・休業中の給付

給付名 内容
育児休業給付金 育休中の賃金の67%(6か月以降50%)を支給
介護休業給付金 家族介護で休業時、賃金の67%を最大93日分
教育訓練給付金 スキルアップのための訓練受講費用を補助(最大70%)
高年齢雇用継続給付 60〜65歳で賃金が下がった場合の補助

「失業保険」との違い

「雇用保険」と「失業保険」の関係は親子関係です。 雇用保険という大きな制度の中の一給付が失業保険(基本手当)にあたります。

関係性

雇用保険(制度全体)
  ├ 失業等給付
  │  └ 基本手当(いわゆる失業保険)
  ├ 育児休業給付
  ├ 介護休業給付
  └ 教育訓練給付

日常会話で「失業保険」と言うときは、多くの場合この「基本手当」を指しています。 正式には「雇用保険」が制度名で、「失業保険」は基本手当の通称です。

健康保険・社会保険との違い

会社の給与明細で複数の保険料が引かれていますが、それぞれ役割が違います。

保険 役割 保険料負担
雇用保険 失業・育休・介護休業時の給付 労使双方(労働者0.6%+事業主0.95%)
健康保険 医療費の自己負担軽減 労使折半
厚生年金保険 老後の年金・障害年金 労使折半
労災保険 業務中のケガ・病気の補償 事業主全額負担

※雇用保険料率は「一般の事業」の例(令和7年度)。詳細は 保険料率のページ を参照。

雇用保険の関連ページ

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よくある質問

雇用保険の加入は必須ですか?
加入要件(週20時間以上・31日以上の雇用見込み)を満たす労働者は、会社が加入手続きをする法的義務があります。 本人が拒否することはできません。
雇用保険と労災保険は別物ですか?
はい、別物です。雇用保険は失業・休業時の給付、労災保険は業務中・通勤中のケガや病気の補償。 合わせて「労働保険」と呼ばれます。
公務員は雇用保険に加入していますか?
公務員は原則として雇用保険の適用除外です。代わりに別の共済制度や退職手当制度で保障されます。 そのため公務員は退職しても失業保険はもらえません
個人事業主や会社役員は雇用保険に加入できますか?
個人事業主は労働者ではないため加入できません。会社役員も原則として対象外ですが、 「使用人兼務役員」(部長兼取締役など)であれば加入可能な場合があります。
掛け捨てですか?受給しなかった分は戻ってきますか?
掛け捨てです。支払った保険料は受給の有無にかかわらず返金されません。 ただし失業しなければ保険料を使わずに済むので、セーフティネットとしての価値と割り切りましょう。