失業時の基本手当だけじゃない。育児休業給付・教育訓練給付・高年齢継続給付まで
退職前に知っておきたい雇用保険の全体像を整理します。
雇用保険は、労働者が失業・休業・教育訓練などの際に給付を受けられる国の制度です。 加入は会社が手続きし、労働者と事業主の双方が保険料を負担します。 退職後の生活を支える最も重要なセーフティネットとして、ほぼすべての正社員・パートが加入対象です。
雇用保険の3つの柱
① 失業等給付(退職後の基本手当など)
② 育児休業給付・介護休業給付(休業中の生活保障)
③ 雇用保険二事業(能力開発支援・雇用安定事業)
雇用保険の加入対象は正社員だけではありません。以下の条件を満たすパート・アルバイトも加入します。
| 加入条件 | 内容 |
|---|---|
| 週の所定労働時間 | 20時間以上 |
| 雇用見込み | 31日以上の雇用が見込まれる |
| 学生 | 夜間・通信制は加入。昼間学生は原則対象外 |
加入状況は給与明細で確認
給与明細の「雇用保険料」欄に控除額があれば加入済み。なければ会社に確認しましょう。 雇用保険被保険者証 の有無でも確認できます。
雇用保険の給付は退職後の「基本手当」だけではありません。在職中・退職後・休業中のさまざまな場面で利用できます。
| 給付名 | 内容 |
|---|---|
| 基本手当(失業保険) | 離職後、求職中の生活を支える給付。90〜330日分 |
| 再就職手当 | 早期再就職時の一時金(基本手当の60〜70%) |
| 就業促進定着手当 | 再就職先で6か月以上働き、前職より賃金が下がった場合 |
| 高年齢求職者給付金 | 65歳以上の離職時 |
| 給付名 | 内容 |
|---|---|
| 育児休業給付金 | 育休中の賃金の67%(6か月以降50%)を支給 |
| 介護休業給付金 | 家族介護で休業時、賃金の67%を最大93日分 |
| 教育訓練給付金 | スキルアップのための訓練受講費用を補助(最大70%) |
| 高年齢雇用継続給付 | 60〜65歳で賃金が下がった場合の補助 |
「雇用保険」と「失業保険」の関係は親子関係です。 雇用保険という大きな制度の中の一給付が失業保険(基本手当)にあたります。
関係性
雇用保険(制度全体)
├ 失業等給付
│ └ 基本手当(いわゆる失業保険)
├ 育児休業給付
├ 介護休業給付
└ 教育訓練給付
日常会話で「失業保険」と言うときは、多くの場合この「基本手当」を指しています。 正式には「雇用保険」が制度名で、「失業保険」は基本手当の通称です。
会社の給与明細で複数の保険料が引かれていますが、それぞれ役割が違います。
| 保険 | 役割 | 保険料負担 |
|---|---|---|
| 雇用保険 | 失業・育休・介護休業時の給付 | 労使双方(労働者0.6%+事業主0.95%) |
| 健康保険 | 医療費の自己負担軽減 | 労使折半 |
| 厚生年金保険 | 老後の年金・障害年金 | 労使折半 |
| 労災保険 | 業務中のケガ・病気の補償 | 事業主全額負担 |
※雇用保険料率は「一般の事業」の例(令和7年度)。詳細は 保険料率のページ を参照。